
琵琶湖にだけ生息するビワマス

ビワマスは、サケ科に属する淡水魚で琵琶湖にのみ生息する固有種です。10月~11月の産卵期には雄・雌ともに、婚姻色の澄みきった褐色地にモミジ色の雲状紋が発現し、容姿端麗に加え最高の色彩をかもし出します。その後3〜4年後に漁獲体型まで成長し、夏(6月~8月)の新月の夜、琵琶湖の水深15m以深の20℃以下の冷水層に刺し網を設置して漁獲されます。
養殖ビワマスの魅力

この時期(6月~8月)がビワマスの旬で、身の脂のりは上質で、旨み成分のアミノ酸類を豊富に含み、とても美味しく召し上がれます。いち押しはやはり刺身。他にも塩焼、煮付け、燻製、ムニエル、揚げ物など様々な料理が楽しめます。しかし、産卵期が近づき卵巣・精巣の熟度がすすむにつれて脂が落ち、味が低下してしまいます。
そこで醒井養鱒場では、バイオテクノロジーの技術を使って一年中、旬の美味しさを保つ「養殖ビワマス」を開発し、滋賀の地域特産種として本格的な普及展開をしています。2014年の3月には、種苗11万尾を養殖業者へ出荷しました。この種苗は2年後から成魚として出荷が可能となり、天然漁獲量の25tを大きく上回ると予想されています。※10月9日はビワマスの日です。

解説 岩﨑治臣
◎経歴
元 ・滋賀県水産試験場長
現在・滋賀県醒井養鱒場指定管理者
滋賀県漁業協同組合連合会 参与 醒井養鱒場 場長


